フィジタル化社会

「フィジタル(Phygital)」とは、「フィジカル」と「デジタル」の合成語で、実世界とデジタル世界の間に境界のない様子を表します。

写真は「コトラーのマーケティング6.0」。

「フィジタル」は、本書のテーマキーワードとして「メタマーケティング」とともに多用されるキーワードです。これにあやかって、「フィジタル化社会」という言葉にしてみました。

ということで、「コトラーのマーケティング6.0」についてです。本書は我が国では2026年の7月30日に発行された新刊です。ただし、原書は2024年の発行、そして執筆されたのはおそらく2023年だと思います。

この本を読んで思うことは対照的な2つのことです。

一つは、第一部の素晴らしさです。Z世代とα世代をフィジタル・ネイティブ世代と位置付けて、価値観や行動の変容について論じられていて、マーケティングを生業とする私にはグサっと刺さりました。「メタマーケティング(フィジタルによる没入感の高い体験を提供するマーケティングこと)」の重要性を説く内容は示唆に富んでいます。

そして、2つ目は第二部と第三部の内容で、「メタバース」の可能性(市場拡大)をベースにした内容に違和感があることです。「メタバースは2030年に5兆ドルの価値を生む(マッキンゼー)」。と書かれていて違和感しかありません。2023年と2026年のギャップがここまで大きいのには本当に驚きです。

逆に今、2026年のリアルな状況はどうでしょうか。そうです「フィジカルAI」です。「2030年の市場規模は0.5兆円」といわれているほどの大注目のカテゴリーです。

少し整理すると、

・かつての予言 : メタバース(デジタルベースのフィジカル体験)が熱い!
・今現在の肌感 : フィジカルAI(フィジカルベースのデジタル体験)が熱い!

3年でここまで変化するのだから驚きですが、フィジカルベースにこそ価値があるというのが今の流れといって間違いないと思います。そして、この二つ、真逆の関係なのです。面白いと思いませんか?

本書にある「デジタル疲れ」が新しい行動の原動力となるから「レトロ志向」「デジタル・デトックス」「マインドフルネス」「オフグリッド旅行」がトレンドとなる(本書(第8章))。これはその通りだと思います。

津屋崎を本拠に置く私の行動の源泉は「デジタル疲れ」にあったのかなと自問自答したりしながら、「コトラーのマーケティング6.0」に関する考察は以上です。

個人的には、シリーズ第1段「コトラーのマーケティング3.0」に継ぐ重要論点を提示する良著だと思いました。第一部を繰り返し読みつつ「フィジタル化社会への移行」を熱く語っていきたいと思います。

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